キスビットは土壌信仰の精霊たちから端を発した国である。
キスビット人と呼ばれる彼らは例外無く土壌神ビットを信仰しており、土属性の加護を授かっている。
能力に個人差はあるが、大抵のキスビット人は土や石などを自在に操ることができるのだ。
そんな彼らが基本にしている世界観を図式化してみよう。
彼らによると、まず世界は三種類に大別される。
大気の神が統べる世界と、水の神が統べる世界、そして神でなければ認知することのできない世界。
これらの世界に境界は無く、それぞれが同時並行的に重なってこの世を形作っている。
大気の神の世界には光の神と闇の神が存在し、光と闇はそれぞれに親和関係となっている。
大気の神は光と闇に対して優位である。
水の神の世界には、火の神と木の神と土の神が存在する。
水の神は火、木、土それぞれに対して優位であり、火は木に優位である。
土と木は親和関係である。
それぞれの神が司るものは以下の通り。
気:天候、季節、寒暖、風、空気、香り、音、電気
光:光、元気
闇:闇、病気
水:水
火:火
木:木
土:土、石、金属、動物(精霊や他の種族も含む)
他:神々でないと認知できない存在や現象
山中の奥深い集落に住まうキスビット人も、現在では様々な情報が入ってくるようになった。
この世界観が万人に共通しないことも承知している。
しかしそれでもこの考え方が改められることも、廃れることもない。
キスビットの精霊たちは粛々と信仰を受け継いでゆく。