良い夫婦の日

「痛ッ・・・」

 

「どっ、どうした!?」

 

「いえ、大丈夫です。すみません」

 

「おいおい、変な気遣いはよしてくれ。私は君の夫だぞ?」

 

「・・・そ、そうですね・・・えっと、履き慣れない靴で足が痛くって」

 

「なんだ。そんなことか」

 

「つまらないことで止めてしまってごめんなさい」

 

「いや、つまらないことなんかじゃないさ。よし、私が抱えて行こう」

 

「えっ、ちょっと・・・それは・・・」

 

「何だ、嫌なのか?」

 

「そ・・・そういう意味ではなくて、その・・・」

 

「ほら、早くしないと扉の向こうで皆が待っているんだから」

 

「わ、私やっぱり歩きます!」

 

「無理は良くない。私に任せなさい」

 

バタンッ!

 

「エウス村長!遅いでs・・・あーッ!!!もうイチャイチャしてるー!!」

 

「おい!ち、違っ!」

 

「村長!とても良くお似合いですッ!」

 

「マーウィンさんキレイ!」

 

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「変な状況を見られてしまったな・・・」

 

「えぇ・・・。ごめんなさい・・・」

 

「君が謝ることは無いさ。よし、気を取り直してっと」

 

ヒョイッ。

 

「うわっ、あの・・・私・・・お、重くないです・・・か?」

 

「ああ、とても重い」

 

「うっ・・・」

 

「こうして、自分の命よりも大切なものができてしまうという事実が、たまらなく重く、そして何にも代え難い幸せだと感じる」

 

「ッ!・・・あなた・・・」