「こ・・・ここはドコ?拙者は
意識が混濁しているらしく発言が意味不明である。
しかしカミューネにとっては命の恩人的な状況だ。
ようやく頭がハッキリしてきた金弧の前で泣き出したカミューネ。
「金弧さんッ・・・あり、ありがとう・・・ありがとう・・・ぐすっ」
死の覚悟から解放され、緊張から安堵という心の振り幅が大きかったのだろう。
本人も制御できないほど、泣いてしまった。
「カカカカミューネちゅわんッ!?何故こんなところに!?拙者・・・うわッ」
金弧の言葉を遮ったのはカミューネの抱擁だった。
キモい眼帯ごと頭をぎゅっと胸に抱きしめる体勢で、そのまま泣き続けるカミューネ。
始めは両手の十本の指をワキワキと動かしていた金弧だったが、しばらくして、そっとカミューネの背中に手を回した。
ぽんぽんと肩のあたりに手を置いてやる。
「ひっく・・・ひっ・・・ごめ・・・なさ・・・」
カミューネが徐々に泣きやむ。
しかし抱擁は終わらない。
外観は完全に無脂肪乳であるにも関わらず、ふにふにと柔らかく温かい感覚。
『ロリに手を出す者はロリコンにあらず!あの太陽のような笑顔が曇らぬよう、命をかけて見守る事こそ拙者のロリ道でござる!』
と普段から豪語している金弧にとって、この接触は生涯初のロリ密着であった。
(いかんッ!いかんぞ金弧ォォォ!ロリは愛でるもの!ロリは保護するもの!鎮まれ!鎮まれ!こンの聞かん棒め!鎮まれと言うにッッ!)
「あれ?金弧さん、こんなとこにもツノがあるんですか?」
いつの間にか泣きやんだカミューネが金弧に尋ねる。
鬼は頭部にツノを持ち、その形状や大きさには個人差がある、ということは知っているカミューネ。
金弧のツノはこめかみの上あたりから生えている小さめのものだと思っていた。
「ゴブシッwwwwこ、これはwww鬼の中でも、エリートしか持たぬッ、き、危険なツノでござるよwww見ても触れてもダメなデュルフフッwww」
羞恥と緊張で壊れかけの金弧。
しかしお陰で金弧のチン弧は委縮し、存在の主張をやめた。
「あ、あれ?金弧さん大変です!ツノが!ツノが消えちゃいました!」
海賊装束の生地をこれでもかと押し上げていた金弧のチン弧が鳴りを潜めた結果、カミューネにはツノが無くなったように見えた。
「せせせ戦闘が終われば危険な武器は無用でござるゆえ通常モードに移行しただけのことッ!」
ダガライガの屍骸を指して誤魔化した金弧。
どうにか、納得してもらえた・・・のか?