キャラクターをお借りしてますゾッ!
こんなおふざけにお付き合いいただきありがとうございます。
↑これの続きです。
フールさんちから
りとさんちから
ねずじょうじさんちから
長田先生んちから
nagatakatsukioekaki.hatenadiary.jp
突発的な無計画のお遊びにも関わらず快く、そして気前良く我が子をお貸しくださり誠にありがとうございます!
本来の学園PFCSではルビネルさんは教師だったりリリスちゃんは小等部だったりアスミちゃんは中等部だったりしますが、本SSは完全な
■今回限りのIF設定
・全員高等部で同級生
・校歌は縦ヨミ
~・~・~・~・~・~・~・~
翌日。
金曜日。
明日と明後日は休みである。
学園祭は来週の土曜日と日曜日。
泣いても笑っても、時間はもう1週間しか無いのだ。
教室の一番後ろの席。
エスヒナはシャーペンを咥え、真っ白なノートを睨んでいた。
「まぁ。エスヒナが勉強なんて、今日は豪雨かしら?」
もう機嫌は直ったのか、アウレイスが傍に立った。
「アウリィ~!困ったことになったんだよ~!」
「学園祭で演奏するんですって?でもメンバーは揃ったんでしょ?あとは曲を決めたり練習したり、あと一週間でやることが山積みね」
「ッ!?」
アウレイスは別に怒って出て行ったわけでは無かった。
もしエスヒナが本当に困っているのなら、自分が何か手助けできないかと考えていた。
休み時間に級友を手当たり次第バンドに誘っていたのは見ていたので、その原因も含めた情報収集を行っていたのだ。
「キーボードのアスミちゃんが技術的に一番信頼できるから、キーボード中心でいける曲を選ぶのが良いと思うわ」
「アウリィィィィ~!(号泣)」
「ちょっと!放してッ!エスヒナ!こら!めっ!」
「と、いうわけで。あたしたちには、とにかく時間が無いの」
ホワイトボードに『じかん』と書きつつ、エスヒナがみなの顔を見渡す。
特にホワイトボードを使用する意味は無いが、なんだか話し合いをしているような気分になるので使ってみている。
これから話す内容も完全にアウレイスの受け売りである。
「まずすべきことは、演奏する曲を決めること。そしてその曲の練習!」
当然すぎる主張だが、なんだかみんな素直に聞いてくれている。
「さぁ、どんな曲が良いと思う!?」
ものすごく雑な議事進行だ。
しかしエスヒナにはこれが精一杯だった。
「ユーミンはねぇ、ガチあげでガンガンのれるヤツ!ブチアゲの!」
「ドラムの私は無心で叩くだけですから、どんなものでも構いませんよ」
「ムーディなのが良いケド、あんまり詳しくないから任せるわ」
特に順番を決めていたわけではないのだが、一人ずつ発言していったので自然とみんなの視線がアスミに集まった。
「あの、昨日ちょっと考えてみたんだけどね?」
本題に入る前の言葉ですでに、エスヒナは感動した。
昨日のうちからこのバンドのことについて考えてくれていたなんて!
アスミちゃんホント、マジ天使!
「うちの学校の校歌、あるでしょう?あれを編曲したらどうかなって」
なるほど、校歌ならみんなが知っている。
知名度的にはこれ以上無い選曲だ。
しかし編曲とは・・・?
「実は、少しだけ作ってみたの。聴いて貰ってもいいかな?」
アスミはそう言うと、キーボードの前に立った。
目を閉じ、すぅーっと息を吸い込み、そしてパチッと目を開く。
白魚のような指が心地よい旋律を奏でた。
出だしから細かく音を刻むリズム感のあるイントロ。
主旋律は確かに聞き覚えのあるメロディ。
しかし、いつも聴いている「いかにも校歌」という芋っぽさがまるで無い。
耳心地が良くアップテンポの、イマドキな曲に仕上がっている。
曲が一周しても演奏は終わらず、なんとアスミは続けて歌ってくれた。
歌詞は普通の校歌だが、しかし曲調だけでこんなにも素敵に変わるものか。
ささえ~あう~ われら~♪
ばいに~なる~ ちから~♪
ともに~まなび~ ときに~きそい~♪
こえを~かけあう~ なかま~だから~♪
われ~らの~ がく~えん~(P.F.C.S)♪
いだ~いな~ がく~えん~(P.F.C.S)♪
「ど、どう・・・かな?」
演奏を終え、アスミは恐る恐る感想を聞いた。
全員、その場で硬直している。
止まった時間を動かしたのはユーミンだった。
「なにこれアスミン激エモーい!オニエモーいッ!!」
言葉の意味は良く分からないが、とにかくすごく感動したようだ。
それは他の皆にも伝わった。
「す、すごいですアスミさん!私、感動しました!」
リリスは興奮気味に、自宅から持参した『折れない棒』を振り回している。
風切り音がブォァンッブォァンッと鳴り響く。
「いっそのこと校歌そのものを今の曲に変えちゃいたいわね」
ルビネルは校歌を変更する権限があるのは学園の中の誰なのかを考え、きっと理事長あたりをオトせばどうにかなると真剣にシミュレーションしていた。
「アスミちゃん、アンタって子わ・・・」
エスヒナが感涙に制服を濡らす中、皆の好反応に気を良くしたアスミがさらに驚きの発言を繰り出してきた。
「もし、今の曲で嫌じゃなかったら、みんなのパートの楽譜、書いてきたんだけど」
神はここに居た。
信仰が生まれてもおかしくない状況だ。
もうみんなアスミにひれ伏し、身命を賭して仕えることを誓いそうな勢い。
「じゃあこれで、練習は各自それぞれにできるってことよね?」
トランス状態からいち早く抜け出したルビネルが言う。
確かにこの楽譜と楽器を持って帰れば、自宅でも練習ができそうだ。
「あ、そうだった!重要なこと忘れてた!お客さんを呼ばなきゃだ」
ルビネルの言葉で我に返ったエスヒナが、ノートに書いてきた議題を見て声を上げる。
曲も決まり、楽譜も手に入ったが、しかし学園祭当日に300人の客が集まらなければ意味が無いのである。
1枚1,000円のチケットを、果たして300枚売り切ることができるのだろうか?
「みんなで分けるなら一人60枚ずつだけど・・・」
エスヒナが4人の顔を見まわして言う。
正直なところ、エスヒナ自身60枚ものチケットを売り捌ける見込みは皆無だった。
「もしか、練習よりチケット売る方がつらたん?とりま練習はみんな家として、売るの考えた方が良い系?ドル?」
ユーミンが言う通りかも知れない。
練習は下校後でも各自自宅でできるとして、学校に居る間はとにかくチケットの販売を優先しなくてはならないような気がしてきた。
とりあえずは、みんな平等に60枚ずつのノルマということで配布され、販売状況によって流動的に助け合うということになった。
そして各自、この土日できちんと練習しつつ、チケットの販売法や販売先についてもしっかり考えてくるようにということで解散した。
帰りみち。
「ッ!?」
「~~~~~~っ!!!」
合宿の話題を切り出すことをすっかり忘れてしまっていたルビネルが一人、身悶える。
月曜日、昼休み。
部室に集まった5人。
「みんな、どう?チケット売れそう?」
エスヒナは真剣な表情で拳をぐぐっと固めながら、皆に尋ねた。
「真摯にお願すれば、きっと思いは通じると思います!」
意思のこもった力強い眼差しでリリスが答える。
つまり、策は無いと言っているのだが。
「あ、ピッカンきた。ユーミン天才かも!おまけ付ければ良くね?」
「でも300人よ?カラダがもたないわ」
どんなおまけを考えていたのか知らないが、ルビネルが返す。
言葉の意味は置いといて、チケットに付加する何かを用意するような資金も時間も無いのが正直なところだった。
「あの、私ね、ピアノ教室のお友達に、ちょっとだけ協力してもらったの」
アスミは休日にもピアノ教室に通っているらしく、そこでチケットの購入を頼んでみたそうだ。
確かに学園祭は学外からも入場が可能である。
「でも全部は難しかったんだぁ」
そう言いながらアスミが取りだした残りチケットは20枚程度。
もう半分以上を売ったことになる。
きっとピアノ教室のお友達という人たちも「アスミちゃんが演奏するなら!」「是非聴きにいかせて!」なんて、目を輝かせて購入してくれたんだろうなぁ。
「やっぱり、クラスの友達に一人ずつ頼んで回るのが良いかなぁ」
エスヒナはため息交じりに常套策を述べた。
しかし完全なる草の根活動だ。
果たしてどれだけ販売できることやら。
「そうだ、バラバラにやるのではなく、皆で一緒にお願いするというのはいかがでしょう?」
「あー!ユーミンそぉゆーの好き!みんなでワッショイ!」
物は試しということで、放課後の靴箱前。
折り畳み机にパイプ椅子を用意したゆるAirilyの面々。
「あのう、学園祭でバンド演奏をするのですが・・・」
「ごめんな、当日はウチも出し物あるから」
こういう場面でイマイチ押しの弱いアスミは、なかなかうまくいかない。
「ゆるAirilyです!学園祭で演奏します!チケットはいかがですか?」
「ん?君は中等部?ここは高等部の校舎だよ?」
リリスが懸命に話し掛けるも、まともに取り合ってもらえない。
「ちょいちょいそこのイケメンさ~ん!ユーミンのベース聴きたくない!?」
「僕がイケメン?冷やかしならやめてくれ・・・」
ユーミンの相手を選ばず空気を読まない物言いは、人の心を抉ることもあるようだ。
「あら、あなた可愛い顔してるわね。どう?1,000円でイイわよ?」
「え・・・じ、じゃあ・・・」
ルビネルが1枚売ったが、しかしお客さんと一緒にフェードアウトしてしまった。
「ぐぬぬ・・・チケット売るのって難しい・・・」
エスヒナは頭を抱えた。
アスミのお陰で曲が決まり楽譜も揃っているのだが、しかし肝心の集客が上手くいかない。
この活動は金曜日まで続いた。
「うぅ~・・・どうしよう~っ・・・」
学園祭を明日に控えた金曜日の昼休み。
部室に集まった5人に流れる空気は重かった。
机の上にはまだ販売されていない200枚ちょっとのチケットがある。
あれから、ぽつりぽつりとは売れたものの、しかし目標枚数には大きく届かなかった。
結局ルビネルが最多販売枚数だったが、誰もその販売方法について深掘りしなかった。
「あの~・・・軽音部の部室って、ここですか?」
重苦しい雰囲気に突然差し込まれた声。
手に紙を持った男子生徒が、扉から少しだけ顔をのぞかせている。
「んあ?そだけど?お兄さんだあれ?」
椅子の背もたれ越しにブリッジのような体勢で、上半身をだらりと垂れたユーミンが、逆さになった男子生徒に問い掛ける。
「えっと、コレを見たんだけど・・・」
と言って差し出された紙は、こんな内容だった。
前代未聞の即席バンド『ゆる
Airily 』が送るエキサイティングでスリリングなサウンド
学園祭でしか聴けない貴重な演奏を是非あなたにも
チケット 当日券2,000円 前売券 なんと1,000円!
ご丁寧に5人の写真も添えられている。
「前売りチケットの購入、ここですよね?まだ残ってますか?」
事態が飲み込めないまま、しかしお客さんは有り難い。
エスヒナがお金を受け取り、チケットを渡した。
男子生徒はチケットを購入しすると、リリスに熱い眼差しを送りながら言った。
「演奏、頑張ってくださいね!応援してます!」
ポカーン。
きっとメンバーの頭の上に文字が浮かんでいるとしたらこれだろう。
そんな間の抜けた空間に割って入ってきたのは、アウレイスだった。
「遅くなっちゃったけど、やっと完成したのよ。チラシ」
学校のコピー機を無断で大量使用したのがバレたら怒られちゃうけどね、と舌を出しながら言うアウレイスに、エスヒナが飛び付いた。
「アウリィィィィィッッッ!!」
エスヒナの頭をよしよしと撫でながら、アウレイスはメンバーの顔を見まわす。
「これだけの粒ぞろい、校内に隠れファンが絶対に居るはずだと思ったの。問題はその人に情報が届くかどうかってことだわ。だからちょっと反則だけど、やっちゃった。先生には怒られると思うけど、構わないわよね?」
アウレイスは5,000枚ものチラシをつい先刻、なんと屋上からバラ撒いてきたのだそうだ。
この派手な行動はすぐに噂となり、生徒たちの間に『ゆるAirily』の名前が知れ渡ることとなった。
あとは雪崩式。
部室には次々と生徒たちが訪れた。
大半が男子生徒ではあったが、中には頬を赤らめながらルビネルを見詰める女子生徒も居た。
「や、やった・・・」
放課後、最後の1枚が売れた。
机に突っ伏すエスヒナ。
「あー、つっかれたぁ~。ユーミンうち帰ってガン寝だわ~」
「私は明日に備えて、しっかり素振りしてきます!」
「チケットも全部売れたし、明日が楽しみだね!私も練習しなくっちゃ」
「ガラナ、マカ、スッポン、ハチノコ、高麗人参、タウリン・・・」
フラつく足取りで部室を後にするユーミン。
轟音を響かせながら「折れない棒」を振るリリス。
両手で握りこぶしをつくり天使の笑顔を振りまくアスミ。
栄養ドリンクの小瓶にストローを差し込んで飲んでいるルビネル。
学園祭当日。
チケットを売り切ったことによる安堵と達成感。
その「やりきった感」は、曲の練習という重要課題を吹き飛ばしていた。
一度も全員合わせた練習をしていない。
それぞれの個人練習を信じるしか、ない。
「ここまできたら、もう覚悟を決めるしかないね!」
舞台裏で円陣を組み、みんなに檄を飛ばすエスヒナ。
「ユーミンがんばるゾォ~・・・」
ユーミンの台詞と口調が合っていない。
表情はニコやかだが、しかし顔色は非常に悪い。
担当楽器であるベース、を家から学校まで持って来た。
それだけで今日一日分の体力を使い果たしてしまったようだ。
「今日の棒は絶対に折れない特別仕様ですからッ!」
リリスが手にしているのは、確かに棒だった。
彼女自身の腕より遥かに太い、金属製の八角柱。
なぜか鋲を打ったようなドーム状の突起が所々にあつらえてある。
それを軽々と振る音は重く、ヴォッ・・・ヴォッ・・・と鳴っている。
「ギターの抱き方は完璧よ。あとは演奏の後どれだけ観客を満足させられるか・・・」
もはや「弾き方」でなく「抱き方」になっている。
どのような思考回路でそうなったのかは分からない。
しかしギターを持つ立ち姿はさすがにサマになっており、格好良いルビネル。
言動を忘れポスターとして考えれば最高に絵になる。
「歌い出しのタイミングさえ合えば、あとは難しくないはずだから」
今回の楽曲を用意し、全員分の楽譜まで準備したアスミ。
最大の功労者は間違いなく彼女である。
しかしそれを主張せず、練習に励み、周囲を鼓舞する。
なんというか、こんな話でゴメン・・・。
「泣いても笑ってもこの1回!さぁ、気合い入れようッ!!」
「おーッ!!」
ステージに立つ。
この幕が上がれば、演奏が開始される。
胸が高鳴る。
こんな緊張、今まで経験したことが無い。
ウィイイイイイイ・・・・
低いモーター音と共に幕が上がる。
水を打ったように静かな会場。
カッと照明が点いた。
どよめく会場。
「おおおおおッ!!!」
「待ってましたー!!」
「ユゥゥゥーミィィィーンッッ!!」
「リリスたぁぁぁぁーん!!!」
「アッスッミッ!アッスッミッ!!」
「キャー!お姉さまぁーっ!!」
様々な声が交錯している。
どう見ても300席は埋まっている。
しかも立ち見客まで居るようだ。
「エスヒナさんッ、最初のあいさつを!」
気を利かせたアスミがピンポンパンポーンと、場内アナウンスと同じ音程でキーボードを弾いた。
ピタッとおさまる会場の声。
「き、今日は、私たち『ゆるAirily』のライブに集まってくれて、ありがとう」
「色々事情があって、満足に練習もできてないけど、一生懸命がんばるよ」
緊張で震える声。
しかし一言一言を丁寧に、ゆっくりと、素直な気持ちを伝えた。
「それでは聴いてください。『学園校歌』」
アスミの伴奏が始まった。
最初の8小節が終われば、ユーミンのベース、ルビネルのギター、リリスのドラムが一斉に始まる。
はずだった。
ドグヮシャッッッ!!!
物凄い音がステージ上に響き渡る。
ドラムが、金棒で完全破壊されていた。
アスミの演奏がピタリと止まった。
やり切った感満載の表情で額の汗を拭うリリス。
んん・・・レロォォ・・・
四散するドラムをまるで無視し、ルビネルはギターのネックに舌を這わせている。
ステージ上にぺたんと座り、熱い吐息をギターに吐きかけながら、白く細い指でボディをなぞる。
スヤァ・・・
ユーミンは完全に寝ていた。
いつの間にか横たわっており、大事そうにベースを抱えて熟睡している。
寝返りをうったとき、弦に手が当たり「ベンッ」と音が鳴った。
?????
表情は笑顔のままだが、固まってしまったアスミ。
何が起きたのか、今がいつなのか、ここがどこなのか、分からなくなってしまった。
これはきっと夢だわ。
そう思い込もうとしている。
せっかく色々準備したのに可哀相。ごめん。
そんな中、エスヒナが歌い出した。
周囲の状況が見えていないのだろうか?
しかし、ヒドイ。
音痴とかいうレベルでは無い。
チケット300枚分+当日入場が約50名で、売上は40万円程度だったが、ドラムセットと部室の窓の修理費とチラシの印刷代に当てられて消え失せた。
あと先生にすごく怒られた。
輪廻の枠から外されるかと思うほど怒られた。
そしてステージは失敗。
したかに思われた。
しかし。
「ねぇエスヒナ、ちょっとこれ見て?」
いつもの教室のいつもの席、放課後。
スマホを片手にアウレイスがやってきた。
液晶画面をエスヒナに向け、何やら掲示板のようなページを見せる。
「なにこれ?」
「うちの生徒専用のWEBコミュニティよ」
ふーん、と気の無い返事のエスヒナ。
特に興味をそそられるようなことはない。
と思ったが。
・まさか高校の学際で楽器破壊が見られるとは!しかもロリいっ!
・あのギターの子だれ?超エロいんですけど!
・ステージでwww寝てたwwwなにあの子www超ウケるwww
・ボーカルってあれ、デスメタル風?原石感あるよな。
・お前ら落ち着け。キーボードの演奏聴いただろ?あれプロ並みだぞ?
どこまでスクロールしても好評価しか出て来ない。
そしてみな一様に「次回も楽しみ」と書いているのだ。
「私には良く分からなかったけど、少なくとも失敗ではなかったみたいね」
アウレイスはふふっと笑うと、言葉を続ける。
「このこと、みんなに教えてあげなくていいの?」
バッと立ち上がったエスヒナは、急いで部室へと走るのだった。