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Beautiful World

下記の話の続きです。

1.キャラクターとショートストーリー

2.【上】それぞれのプロローグ

3.【中】それぞれのプロローグ

4.【下】それぞれのプロローグ

5.【前】それぞれの入国

6.【後】それぞれの入国

7.集結の園へ

8.心よ原始に戻れ

 

キャラクターをお貸し頂いた皆様、本当にありがとうございます。

今回は女性チームのみの出演となります。

所属国 種族 名前 特徴 創造主
ドレスタニア(近海) 幕下 紫電 酒乱 長田克樹 (id:nagatakatsuki)
ドレスタニア 人間 横綱 メリッサ 酒龍 長田克樹 (id:nagatakatsuki)
奏山県(ワコク) 人間 関脇 アスミ 酒凡 ねずじょうじ(id:nezuzyouzi)
コードティラル神聖王国 人間 小結 ラミリア・パ・ドゥ 酒豪 らん (id:yourin_chi)
カルマポリス アルビダ 大関 ルビネル 酒静 フール (id:TheFool199485)

 

ちなみにウチの子。

所属国 種族 名前 特徴 創造主

キスビット(タミューサ村)

アルビダ 序二段 アウレイス 酒弱 坂津佳奈
キスビット(ジネ) サターニア 序ノ口 カミューネ 酒無 坂津佳奈

 

乳については私の完全なる希望ですので、ご指摘くださればすぐにでも修正させて頂きます。

 

 

~・~・~・~・~・~・~・~

 

 

総勢7名のお風呂女子会が盛大に開催されているのは、タミューサ村で最も大きな屋敷の二階にある大浴場だった。

キスビットの国内に於いて浴室は、大抵石造りである。

しかしこの屋敷の浴場は大部分が木製であり、とても香りが良い。

それもそのはずだ。

茶としても人気の高いドナの葉は、もちろんドナの木から採取されるのだが、このドナという木は木材としても非常に質が良い。

軽くて丈夫であり、また吸水、吸湿による膨張や乾燥による収縮も少なく、建材に最適と言えた。

余談だが、エウスオーファンはこのドナの葉と木材を輸出する仕組みが整えば、国全体の経済の一翼を担えると考えている。

キスビットの再生が成り、落ち着いた後はそんな事業を動かそうとも考えていた。

 

「ふあああ~良い香りですぅ~☆」

 

どうやって脱いだのか分からないほどの早業で脱衣を完了したメリッサが一番に大浴場へと入った。

両手を大きく広げて浴場内を走り回る。

隠す気など毛頭無いようだ。

床は濡れても滑りにくいよう格子状に彫り込まれており、設計者の気遣いが窺える。

走るメリッサの、激しく弾む脂肪塊。

その荒ぶる上下運動を忌々しそうに薄眼で見詰めているのは紫電だった。

両手でタオルを胸に押し当て、鉄壁の防御体勢で浴場に入ってきた。

 

「あ!猫さん!☆」

 

「猫さんじゃねーって言ってんだろ!」

 

頭部の角をサッと両手で隠す紫電

しかしそれは防御態勢の解除を意味する。

 

「まーッ!おっぱいも可愛らしいんですね♪」

 

悪意の無い言葉ほど、刃となったときの傷は深いと言う。

それを背後で聞いていたのは次に入ってきたルビネルだった。

 

「メリッサ、そういうこと言わないの」

 

助け舟かと振り返った紫電が見たものは、メリッサに勝るとも劣らない見事な膨らみだった。

ルビネルは腰に手をあて、呆れたように言う。

 

「大きさなんてどうでもいいの。重要なのは感度なんだから。ねぇ?」

 

そう問い掛けられたのはアウレイスだ。

細い腰はルビネルにがっちりとホールドされている。

 

「ふわっ!ちょっと、ルビネッ・・・あ・・・」

 

一生懸命にタオルで体を隠しながら、ルビネルに連行されるアウレイス。

続いて入って来たのはアスミだった。

ボディにはしっかりとタオルが巻かれているが、均整のとれた肢体は隠し切れていない。

カミューネを誘導しながら湯桶と椅子のある流し場へ行く。

 

「お湯、かけてあげるね」

 

カミューネは両目をギュッと瞑り、右手で鼻をつまんだ。

まるで潜水するような仕草にくすりと笑うアスミ。

 

「いくよ~」

 

ザバー。

 

「ぷはーっ」

 

この二人だけを切り取ればなんとも微笑ましい入浴シーンなのだが。

しかしこれだけの曲者が揃って、ほのぼので終わるハズがない。

満を持して最後に入って来たのはラミリアだった。

大きめの木板には、ルビネルがマーウィンに用意させたヒヒキニスとコップが人数分、乗っていた。

 

「さぁ!飲むわよー!!」

 

湯船の縁にヒヒキニスとコップを並べたラミリアは手早く体を流すと勢い良く湯船に飛び込んだ。

そして神業と称しても遜色ない動きで酒を注ぎ、呷った。

 

「あら、意外と甘口なんだ。ちょっと濃いかな?でも美味しッ」

 

ラミリアの言う甘口とは、もちろん酒としての甘口である。

しかしそうとは思わない甘いもの好きが一人。

 

「えぇ!?甘いんですか!?私にもくださーい☆」

 

ばいんばいんばいん、ざっぱーん。

メリッサがラミリアのすぐ横に飛び込んできた。

溢れるお湯でコップが押し流されてしまう前に掴んだのはさすがに武道家だ。

自分が酒に強いという自覚があるラミリア。

それでも少し濃いと感じたヒヒキニスは、皆に飲ませて大丈夫なのか少し気になった。

 

「強いかもしれないから、まずちょっとだけね」

 

「まぁ!なんて美味しいのかしらッ☆☆☆」

 

メリッサの意外な反応に、ラミリアは喜んだ。

お酒は、飲める仲間と大勢で飲んだ方が美味しいと思っている。

ひとりでシンミリというのは性に合わないのだ。

 

「ねぇ、みんなも飲まない?ホラ、美味しいわよ?」

 

ラミリアの声に、酒を用意させた本人のルビネルが反応した。

いままで他の事に夢中でヒヒキニスの存在を忘れていたらしい。

 

「そうね。せっかく用意してもらったんですもの。頂きましょう」

 

ほら、と湯船の方へ促されたアウレイスはぐったりしている。

アスミとカミューネも湯船へ向かった。

 

「オレは気分じゃないんでね、遠慮するぜ」

 

まさか酒が飲めないなどとは言えない紫電は、少し離れた場所でみんなに背を向けるように湯に浸かっていた。

 

「せっかくだから、私もちょっとだけ頂こうかな」

 

普段は特に進んでお酒を飲むようなことはしないアスミだが、しかし興味が無い訳ではなかった。

旅先というのは心を開放的にさせる。

しかもここは大浴場。

いつもより少しくらい大胆になっても許される気がした。

 

「あ、美味しい!」

 

「あっれー?アスミちゃんって結構イケるクチ?」

 

アスミの意外な反応に大喜びのラミリア。

これをルビネルが見逃さない。

 

「なるほど、興味深いわね。お酒の強さと胸の大きさ・・・」

 

ワザと大きな声で、皆に聞こえるような独り言を言う。

本当に味わっているのかすら怪しいほどカパカパと飲んでいるメリッサは、ここに居る誰もが認める最大級のモノをこれでもかとたわわに揺らしている。

それに勝るとも劣らない見事なボリュームを誇るのはルビネル本人だ。

涼しい顔でグイッとコップを空ける。

続くのはアスミとラミリアだ。

アスミは先ほどの通り、かなり強いはずのヒヒキニスを美味いと言いつつ飲み進めている。

ラミリアに至っては言わずもがな。

メリッサと合わせ、すでに3本ほどの空瓶を作りだしている。

偶然なのか、確かに飲めるサイドは皆が人並みかそれ以上である。

 

「逆説的に言えば、飲めば飲むほど大きくなるのカシラ?」

 

まだ子供であるカミューネは除くとして、飲まない組の紫電とアウレイスに向けたルビネルの、それは言葉の矢であった。

その矢に撃たれたのは紫電だ。

 

「あー、喉が渇いてきたぜ。オレも一杯もらおうかな・・・」

 

湯船の中をすーっと並行移動してラミリアに近付いた紫電

差し出されたコップに鼻を近付けスンスンと香りを嗅いでみる。

海賊船で野郎どもが飲んでいるラム酒はアルコール臭が強くてダメだが、これならなんだか飲めそうな気がする。

香りだけなら紅茶を思わせるヒヒキニス。

舌をチロッと出して舐めてみる。

この味なら飲めそうだ。

 

「なんだ、オレ好みの酒じゃねーか!」

 

そう言ってコップを傾け、喉を鳴らして飲み干した。

次はアウレイスの番である。

 

「ね、ねぇルビネル・・・本当なの?」

 

「何が?」

 

「そ、その・・・お酒で・・・胸が・・・?」

 

半信半疑、と言うか、ルビネルの悪戯っぽい笑みを見てしまったせいで、全く信じる気になれないアウレイス。

そもそもヒヒキニスはとても強い酒だと聞いている。

酒好きのダクタスが酔い潰れる姿も何度となく目撃している。

 

「あら、私は状況から見た仮説を呟いただけよ?ふふふ」

 

アウレイスとて自分の胸が平均より薄いことは自覚している。

そして人並の重量感にも憧れる。

実はこっそり、近所の奥様方から聞いたボリュームアップに良いと言われる食べ物を試したり、体操を実践したりもしていた。

しかし飲酒が効果的などとは聞いたことも無い。

アウレイスが飲むか飲まざるか思案していると、なんとも間の抜けた眠そうな声が聞こえてきた。

 

「ふにぃ・・・あれ?カミューネちゃんが二人ィ~?」

 

声の主はアスミだった。

どうやら味覚的には美味いと感じたものの、アルコール耐性としてはそこまで高くなかったようだ。

すでに視界が二重になる程度には酔っているらしい。

 

「うっ・・・うっ・・・オレだって・・・素敵な恋が・・・ひっく・・・」

 

 アスミを心配したラミリアの向こうから聞こえてきたのは、紫電のすすり泣きだった。

浴槽の縁に上半身をあずけ、わが身を嘆いている。

 

「オレだってよぉ、このおっぱいお化けくらい立派なモンを持ってりゃあよ・・・今頃は年下のイケメンと・・・うぅ・・・」

 

お化け呼ばわりされた本人であるメリッサは、相変わらずヒヒキニスを呷りつつ、またも紫電に爆弾を投下する。

 

「猫さんはそのくらいが可愛いと思います☆世の中にはちっちゃい方が好きな殿方も多いと、ドレスタニアの書籍に記してありました♪」

 

一体何を読んだのか分からないが、ともかくこの言葉が紫電のスイッチを押したことだけは確かなようだった。

鳴き声がピタリと止み、湯船から立ち上がる紫電

 

「オレの王子サマは金弧じゃねぇぇぇぇーッッ!!!」

 

偏見に満ちた不満をチカラに変え、紫色に輝く拳を湯船に叩きつけた。

間欠泉のように、紫電を中心に噴き上がる湯。

咄嗟に動いたのはラミリアとルビネルだけだった。

ラミリアは、まだ中身が入っているヒヒキニスの瓶とカミューネを小脇に抱えて後方へ飛び距離を取る。

ルビネルもまた、浴場の入り口方向へバックステップした。

そして降り注ぐ、湯の豪雨。

まるで滝のように湯船の周囲を打ちつけた。

 

「嫌あああぁぁぁぁーッッ!!!!」

 

叫んだのはアウレイスだった。

幼い頃、奴隷として過酷な生活を強いられていたアウレイスは、主人である鬼たちから面白半分に、無理やり水中に沈められるという経験をしていた。

それ以来、泳ぐことはおろか、一定以上の水量が顔に掛かることすら怖いのだった。

前後不覚になったアウレイスが駆け出す。

しかしすぐさま足元をすくわれ、尻もちをついてしまった。

だがどういうワケか柔らかい感触である。

 

「あははははは☆面白いです~♪」

 

メリッサだった。

紫電が噴き上げた湯と共に空中に放り出されたメリッサだったが、偶然にもヒヒキニスを運んだ木板の上に座る体勢のまま、波乗りの要領で滑っていた。

そのメリッサが最初にぶつかったのがアウレイスである。

そう、最初に。

メリッサスライダーは止まらない。

次のターゲットはアスミだった。

なぜ急に湯船からお湯が無くなったのか、なぜ天井から激しくお湯が降り注ぐのか、まるで分からないまま、アスミは立ちつくしていた。

 

「はにゃ・・・?ちょっと寒い、です?」

 

と、両手で自分の体を抱いた姿勢のまま足元をすくわれ運び去られるアスミ。

このままでは壁に激突してしまう。

もう前が見えていないので特に恐怖感も無く、ただただ滑っているのが楽しいメリッサ。

未だに錯乱中のアウレイス。

ぽやんとしているアスミ。

これを緩やかに受け止めたのは、他でも無いラミリアだった。

この場に於いて、唯一マトモで唯一シラフなのはラミリアしか居ないのだ。

 

「あっぶなー。紫電さん、ちょいやり過ぎだわぁ(笑)」

 

いや、忘れてはならないシラフがもう一人。

マトモかどうかは置いといて、酔っ払いではないのがルビネルだ。

ひとり、湯の滝から避難していたルビネルは現場が落ち着いたのを確認するとすぐさま戻ってきた。

 

「アウレイス、なんだかすごく羨ましい状態ね」

 

ボリューム満点のメリッサと、ぐったり覆い被さるアスミに挟まれたアウレイス。

ルビネルの声で我に返るも、しかし身動きが取れない。

 

「あひゃひゃひゃ♪くすぐったいですー☆」

 

起き上がろうと動くとメリッサを刺激してしまうようで、上手く立ちあがることが出来ない。

アスミは完全に眠ってしまったようだ。

脱力した人体ほど重いものは無い。

 

「ここは紫電さんに運んでもら・・・キャーッ!!紫電さんがー!!」

 

建設的な意見を述べようとしたカミューネだったが、紫電が居るはずの場所を見て叫び声を上げた。

湯の豪雨によって再度湯船に溜まったお湯は、最初よりも減って膝上くらいの水深である。

その湯船の水面に、うつぶせ状態で浮いている肌色の物体。

紫電だ。

 

「うわ!紫電さん!紫電さんッ!?」

 

浴場にこだまする、ラミリアの声。