エスヒナさん猫になる

↑時系列としてはこれの続きです。 「ボク・・・ハロウィン好きじゃない・・・」 カボチャの被りモノをゴロリと床に転がして、オジュサが言った。 その瞳には光が無く、『ジャック・オー・ランタン』という名称を耳にしたときの輝きはすっかり失われてしまっていた…

【4コマ】数学の授業

【4コマ】体育の授業

【4コマ】中等部

【4コマ】授業風景

【4コマ】冬のゆるえあり

【03】怪盗チャイ ~哀しみの行方~【新生キスビット】

『続いて、喜ばしくも不可解なニュースです。先日ハーレイハビサ美術館から盗まれた【ミーアの翼】が無傷で帰還したとのことです。当局による情報開示は無く、詳細は不明ということで、何とも腑に落ちない事件でした。ともあれ無事に・・・』 プツン。 視るとも…

【02】怪盗チャイ ~哀しみの行方~【新生キスビット】

「この度はチャイ逮捕へのご協力、感謝致します。ですがご覧の通り・・・面目ありません」 チャイの同級生という男に頭を下げているのは、国際警察の警部、ケサーナである。 ハーレイハビサ美術館に展示されていた『ミーアの翼』を創作した張本人の芸術家が、子…

【アイラヴ】論語読みが必ずしも論語を知ってると思うな

「へぇ~!副社長さん、アイドルやったんですか!」 初華が驚きの声をあげた。 確かに整った顔立ちをしているし、透き通るように白い肌は実年齢が読めない若々しさを醸している。 「そう。で、当時の私の熱烈なファンだったあの人と結婚して、この事務所を設…

私の創作に影響を与えているかもしれないもの

nagatakatsukioekaki.hatenadiary.jp 上記の記事に寄せて。 私が影響を受けた作品は数限り無くあります。 生来が広く浅くな人間ですから、作品の形式もジャンルも多種多様です。 小説、漫画、絵画、音楽、映画、舞台、人間関係や特殊な経験、飲食などにも影…

めぐり逢い ~エウスオーファン、その若き日~

目の前にサターニアの男が居る。 酷い暴行を受けたようで、唇は切れ血が滴り、顔も腫れ上がってる。 彼が私を警戒し、そして憎しみの感情を抱いていることはニオイで察知している。 歳の頃は40かそこら。 若干二十歳ハタチの私に対し、この若造がというよう…

【01】怪盗チャイ ~哀しみの行方~【新生キスビット】

ここは、キスビット国の南西部に位置する都市、ラッシュ ア キキ。 この街は人口のほぼすべてをアスラーンが占めている。 町のお食事処。 食堂の天井付近には大きめのモニタが設置され、ニュース番組が流れている。 誰でも気軽に入れる、というわけでは無い…

【00】怪盗チャイ ~哀しみの行方~【新生キスビット】

無機質な機械類に囲まれた部屋。 壁面がほぼ見えないほど、何かの装置や図面などが所狭しと置かれている。 天井が全体的に発光しているため暗いということは無いが、このような発光体を他で見かけることはない。 一体どのようなテクノロジーが使用されている…

タミューサ村のハロウィン【公式】

「という訳で、私は暫しばしグランピレパに行かねばならん。観光客の増えるこの時期、村に居られないのは後ろ髪惹かれる思いだが・・・」 ここはエウスオーファンの家、つまり村長邸である。 キスビット国のほぼ中央に位置するこのタミューサ村で、村長のエウス…

タミューサ村のハロウィン【非公式】

ガチャ。 「と・・・とりっ・・・Trickトリック orオア Treatトリート、ですっ!」 ノックされたからドアを開けた。 恐らくはお菓子目当ての子供だろうとタカをくくって、開けた。 だが視界に飛び込んできたのは、明らかに大人サイズの布オバケだった。 「その声は…

【アイラヴ】袖振り合うどころじゃないすげぇ縁

「こ、ここがウチらの・・・新しい事務所・・・」 御徒町に連れられてやってきたその建物を見て、初華は絶句した。 芸能プロダクションと言えば派手で華やかなイメージがある。 しかしどこからどう見ても普通のアパート、いや、普通より古びた感のある外観だ。 以…

地図作成サイトを発見しました

すんげぇの見っけました。 こんな地図がちょちょいっと作れちゃうんです! 海外のサイトなんで表記は全部英語ですが。 https://inkarnate.com/ アカウント作ってログインするまでの説明はここで。 www.moguragames.com 実際に地図を作る説明はこっちが分かり…

初めてのプール

ボクの村には海が無い! プールを造ったんだよ! しまった!水着を忘れてた! バタフライエフェクトッ! ウォーターフロントスーパーサマージェットスライダーグレートプール『キスビットピア』 ボクの村には海が無い! 淡い金髪を撫でる風が、とても不愉快…

【アイラヴ】敵のつもりは無いけど塩を送ってもらう

「つまり、お前たちはドレプロを裏切ると。そういうワケだな?」 御徒町は唇を噛んだ。 言いたい事はある。 しかし今の状況では何を言っても言い訳になってしまう。 それならば自分の思いごと全てを飲み込んでしまう方が良いときもあるのだ。 初華には事前に…

【アイラヴ】当たっても砕けない!

「ウチは正直な、なんでレンが勝ったんか分かれへん」 初華はぽつりと言った。 もちろんレンのステージは素晴らしかったし、感動に震えて哀しみに暮れた。 あんなに心を動かされるステージは初めてだった。 しかし。 「あの演出、こっちに求めるモンが大き過…

片目が隠れてると距離感が掴みづらいから仕方ないよね

「ふっふっふ☆ これであの方に大喜びして頂けること間違い無しなのですッ♪」 「我ながら傑作!!なんという仕上がりッ☆」 「あとは箱に入れて可愛いリボンでええええぇぇぇぇーッッッッ!!!?」 「またやってしまいましたぁー(泣)」

【アイラヴ】誰だって大志を抱けるよ

要するに、俺を拾って助けてくれたこの男は『アイドルオタク』という分野の人類らしい。 その昔、労働することはおろか、人とのコミュニケーションや、外出すら拒絶していたような時期があったらしい。 しかしこの『みかりん』というアイドルに出会い、人生…

【アイラヴ】あした吹く風がどんな風か今は分からない

この世界は光を欲し過ぎている。 より強く輝くため、激しい光を放つため、そしてその光を皆が享受できるように、そうやって世の中の仕組みが構築され回るようになっている。 だが光ばかり見ている連中はすっかり忘れちまったんだろう。 光が在るところには必…

【アイラヴ】本当に火が涼しくなるなら心頭を滅却したい

駐車場の街灯から降る弱い光が、薄ぼんやりとした大小ふたつの影を作っている。 大きな方の影が、何度目かのため息をつく。 それにつられて小さいほうの影も、深いため息をついた。 「俺は、撮影されてた過去のステージは、資料の映像ディスクで観てたんだ。…

【アイラヴ】三つ子の魂って三歳の子供の性格って意味なんだぜ

「チッ・・・こんなガキに見られちまうたぁ、俺もヤキが回ったな」 今は誰も寄り付かない廃工場。 その中で、誰にも言わず秘密で犬を飼っていた。 家族に見つからないように食べ物を持ち出すのは苦労したし、有刺鉄線をくぐってこの廃工場に入るのも楽では無…

【アイラヴ】晴天なのに霹靂ってそりゃ驚くわな

「俺もって、どゆこと・・・?」 初華はキョトンとして御徒町を見詰めた。 その御徒町は深いため息をつき、少し間を置いてから、初華に重大な報告をした。 「まさか初華からソレを言われるとは思わなかったよ。驚いた。俺から言おうと思ってたのに」 ハハハ…

【アイラヴ】わざわいってどうやったら福に転じるの

今日は体幹トレーニングと、先輩アイドルのステージ見学の予定だ。 ウィーカは駐車場で、御徒町の会議終了を待っていた。 「ごめんごめん、お待たせ。ちょっと長引いちゃって」 早歩きでやってきた御徒町だが、車のロックを解除する様子が無い。 ウィーカは…

【アイラヴ】寝て待ってないから果報じゃないのか

約束の時間より、ずいぶん早く事務所に到着しそうなウィーカは、ひとり街をブラつくことにした。 まだ午前9時頃ということもあり、開店前の店も多い。 当てもなく歩くウィーカ。 どこかのコーヒーショップにでも入って時間を潰そうかと考えていると、ふいに…

【アイラヴ】壁に耳で障子に目だったらドアには何だよ

ウィーカが歌唱レッスンを受けているあいだ、御徒町は車内で雑務を片付けていた。 今はまだウィーカひとり、しかもデビューもしていない研究生(補欠)の世話だけなのだが、それでもやることは多かった。 レッスン場の確保、それに合わせたスケジュール調整、…

【アイラヴ】地獄の沙汰まで金次第なワケない

「お父ちゃんがな、商売人やってん」 御徒町は、まるで独白のようなウィーカの言葉に耳を傾けた。 車の速度を落とし、意図的にゆっくり走る。 「ウチな、履歴書には『経済特区出身』て書いてたやろ?ホンマはちゃうねん」 御徒町は少なからず驚いた。 ウィー…